今回はこんな疑問にお答えすべく、記事を書いていきます。
この記事を書いている私は、ボート歴10年以上、今でもエルゴでの運動習慣を続けている元ボート部のゆうかりです。
ローイングエルゴメーター(通称エルゴ)を現役ボート部時代にめちゃめちゃ漕いで嫌いになっていたのに、今では自宅にエルゴを置いてほぼ毎日漕いでいる私の経験から、疑問にお答えしていきたいと思います。
エルゴはローイング動作のトレーニングマシン
ローイング動作?なにそれ?という方のために解説すると、ローイング=ボート漕ぎ です。
つまり、エルゴはボートを漕ぐ動作のトレーニングマシンなのです。
正式名称を「ローイングエルゴメーター」と言い、特にボート界隈では縮めて「エルゴ」と呼んでいます。
ローイング動作は全身の筋肉をくまなく使える、効率的な運動法としてボート界隈以外でも注目を浴びつつあります。
また、ランニングやなわとびと違って激しい揺れを伴わないため、特に関節への負荷が少ない点で有酸素運動としても優秀です。
そのため現在では様々なローイングマシンが各スポーツメーカーから発売されています。
一方で「エルゴ」と呼ぶ場合、多くはconcept社のローイングエルゴメーター、またそのマシンを使用してのトレーニングのことを指しています。
スマホと言えばiPhone、エルゴと言ったらconcept、のようなイメージです。
きついって本当?どれくらい?
分かりやすいので、ここでTwitterを引用します。
エルゴ2000は人間が…
— エルゴは神bot (@we_love_ergo) December 27, 2018
<RWCTSキャンプ>
— 日本ラグビーフットボール協会 (@JRFUMedia) February 7, 2019
ローイング中、苦しそうな表情の選手たち。#rugbyjp #OneTeam #RWC2019 pic.twitter.com/nPW3jhmJE5
鬼畜の所業だからエルゴはクソ
— エルゴはクソbot (@we_hate_ergo) May 19, 2021
お分かりいただけましたでしょうか?笑
屈強なラガーマンでさえ悲鳴を上げていますね。エルゴがきついと言われているのも頷けるかと思います。
エルゴのトレーニングが追い込めてしまう理由
では、なぜエルゴがこうも追い込めてしまうのか?理由が3つあると考えています。
1.全身の筋肉をフル稼働させる動作
2.ひと漕ぎごとに回復できる時間がある
3.モニターで0.1秒単位まで計測可能
順番に説明します。
1.全身の筋肉をフル稼働させる動作
これは前段でもお話ししましたが、エルゴで行うボート漕ぎ動作そのものが全身運動。
全身の筋肉の70%を使う動作であると言われています。
運動のきつさ=強度は動きの速さや回数で決まるように感じてしまいますが、実はどれだけ多くの筋肉を使っているかにも影響されます。
例えば、腹筋を素早くやろうとするとめちゃめちゃ疲れるのに、同じスピードで指を曲げ伸ばしさせたところで大して疲れませんよね?
使う筋肉が少なければきつくない運動も、多くの筋肉を使う運動ではきつくなるということが分かると思います。
効率的に全身の筋肉をフル稼働させられてしまうからこそ、全力でやると見た目以上に追い込めてしまうのがローイング動作なのです。
2.ひと漕ぎごとに回復できる時間がある
え?回復できるんだったらラクチンなだけじゃん!と思いますよね?
実はそうとも限りません。
自転車やジムのエアロバイクを「全力で」漕いでみたことはあるでしょうか?
人によりますが、大体10-15秒くらいで足が動かなくなってきます。
呼吸がピークでつらくなる前に、足の筋肉の限界が先に来てしまう感覚ですね。
ところが、ローイング動作は違います。
全身の筋肉を全力で使った次の瞬間、次のひと漕ぎのために前に戻ります。
この間、漕ぐときに使う筋肉は特に出番がありません。いわば回復の時間です。
そして前に出きったところで、また全力でひと漕ぎできる。
これが呼吸と筋肉の限界が来てしまうギリギリ手前で、延々と繰り返されるイメージです。
ラクチンでしょうか?違いますよね!笑
3.モニターで0.1秒単位まで計測可能
ローイング動作のキツさに加えて、タイム計測がセットになってくるのがエルゴの酷なところです。
ランニングでも勉強でもゲームであっても、数字が正確に計測されてしまうと改善しようとしてしまうものですよね。
ローイング動作はきついとはいえシンプルな動作です。
正しく力を入れればタイムが上がりやすい動作と言えます。
だからこそ、エルゴに座った人は自然と全力を出そうとします。
ただ、力を入れてタイムが上がればもっともっといいタイム、もしくは下がらないようにキープしたくなっていきます。
こうして自分の限界まで漕げてしまうんですね。
ローイング動作+タイム計測、という反則技が、エルゴのキツさの源泉と言えるでしょう。
実際のところどうなのか
では、ここからは「エルゴは本当にきついのか?」という話をしていきます。
Twitterの画像も見たし、きつい理由まで解説しておいて話す余地なんてない!と思うでしょ?
あります。
結論、私としては「エルゴがきついかはやり方次第」だと思っています。
やり方というのもいくつかあるので、今回は簡単に3つご紹介します!
1.全力でやるか、ゆるーくやるか
2.仲間とやるか、一人でやるか
3.距離でやるか、時間でやるか。もしくは感覚か。
順番にご説明していきます。
1.全力でやるか、ゆるーくやるか
Twitterを見ればラグビー日本代表、甲子園球児、ヨット部ボート部の皆さん、みんな口をそろえて
「エルゴきつすぎ!!!」
と言っていますが、これはみんなが全力でやっているからです。ほんと素晴らしい。好きです。
前段でお話しした3つのエルゴがきつい理由も、実はすべて全力でやっていることが前提になっています。
「全力でやったら何やってもどうせキツい」というのが持論ですが、エルゴだけはたぶん別格できつい。
特にアスリートは追い込み慣れているので、普通の人よりもさらに効率的に限界にたどり着けるのだと思います。
アスリートだからこそ、といった感じです。
一方でエルゴは、ゆるーく漕いでみた人から意外と楽しい!とか、ずっと漕いでいられそう!と言われるマシンであるのも事実です。
私も現役時代嫌いだったエルゴをほぼ毎日漕いでいますが、ゆるく漕いでれば楽しいんです。
嫌わないであげてほしいし、敬遠されてるとちょっと悲しい。笑
2.仲間とやるか、一人でやるか
個人的には、全力で追い込みたいなら仲間と、ゆるく継続したければ一人で、がおすすめです。
というのも、エルゴはモニターにタイムが表示されるので比較したり応援しあったりが可能になります。
余りにもきつすぎるので漕ぎ止めちゃったり、タイムが落ちてしまうという人は仲間とやるのがおすすめ。
仲間がいるから頑張れる!というのが文字通り発生するのがエルゴだと思っています。
ただデメリットがあって、自分のペースを乱されやすいこと。
自分のペースでやりたいんだ!という人は一人でやるか、周りに声かけの指定をしておくのがいいでしょう。
どちらにしても、全力でやったらどうせしんどいですが。
3.距離でやるか、時間でやるか。もしくは感覚か。
500m×3、2000mなどの距離で決めるか、10分、20分、60分などの時間でやるかによってもキツさが変わります。
メーターが減っていく方がいい!頑張れば早く終わる方がいい!という人は距離で。
ラップタイム見ながら漕いでる!記録更新しやすい方がいい!という人は時間で。
正直好みが分かれているので、好きな方をやってみるのがいいかと思います。
個人的には、時間指定の方が好きです。
ボート部時代は全力でやる前提だったので、「あ、今日早く終わったなー!って思ったことある?
毎回きっちりしんどいし毎回頑張ってるから変わらんわ!!」と謎の怒りを抱えていました(笑)
終わるのが数秒早まるより、1mでもいいから新記録が出る方がいい!という価値観です。
みなさんはどっち派でしょうか?Twitterやコメントでこっそり教えてもらえると喜びます。
まとめ:エルゴとは上手に付き合おう。
きついきついと話題のエルゴですが、付き合い方次第で良きパートナーになってくれます。
自分を鍛えるために全力で漕ぐのであれば、望み通り効率的に鍛えてくれますし、
ゆるく継続して運動したい!という場合も飽きがこないので、意外と汎用性の高いトレーニングマシンです。
全身運動でオールインワンともいえるので、マシンとしてのコスパもなかなかと思ってます。
個人的には、この記事を読んだ皆さんにも人生のパートナーとして上手に付き合ってほしいです!
ちなみに音は掃除機と同じくらいですが鈍い空気音なので、自宅(賃貸)でやっても思いのほか音は響きませんでした。
よく聞かれるので書いておきます(笑)
今後もエルゴについての記事はちょこちょこ書いていこうと思っていますので、お楽しみに!